建築とツタの共生
Journal — 2026年1月 · Ivy & Architecture
「ツタは建築を壊す」という言葉を、私たちは何度も耳にしてきた。たしかに管理を怠れば、根や巻きひげは目地を広げ、外壁を傷めることもある。けれど、それは本当に植物だけの責任だろうか。
The Vault House の設計で私たちが試みたのは、ツタが「安心して伸びられる道」をあらかじめ用意しておくことだった。誘導用の金具、水はけの良い目地、定期的な剪定計画 —— 建築側が歩み寄ることで、共生は初めて成立する。
Tendril & Frame
石とツタ、金属とツタ、それぞれの組み合わせによって、植物の伸び方も表情もまったく異なる。私たちはこれを「素材同士の相性」として、ひとつひとつ記録している。
10年後、20年後のこの建築がどんな表情になっているのか、それは私たちにもまだわからない。わからないことを楽しめる建築であること —— それこそが、ツタと共に生きる建築の醍醐味だと思う。